星団日記

中央市議会議員なとり義高です。

水俣病とプラスチック

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 年6回の偶数月にふるさと公園水辺の学校で水質調査を続けて20年以上経ちます。当初より格段と水質が よくなり今年2月15日の調査では、透視度が100cmもありCODが2という結果になりました。一方で「川ご み」は逆に増えています。このことは、2008年の星団新聞第7号の「リユース社会のススメ」に書いてあるように リサイクルが免罪符となり容器包装リサイクル法が交付された‘95年以降500mlなどの小型ペットボトルが 販売され街中にあふれたことに起因します。この日のごみもペットボトルが約8割でした。「川ごみ」の特徴は 劣化している事です。特に護岸近くに埋まってしまっているビニールは引っ張ると粉々になってしまいその破 片を拾い集めるのは不可能になってしまいます。これが近年、世界を騒がせているマイクロプラスチック です。 2050年には海の魚の量よりも多くなってしまうそうです。私たちは拾っても拾ってもすぐに流れてくるごみに ため息をつきあきらめかけていたのです。


  プラスチックは原油から生産される「ナフサ」で作っていますが、英語のプラスティック=plasticにはいろい ろな形にできるという意味があり、製造過程でたくさんの添加剤を必要とします。劣化を抑える安定剤、柔軟性 を持たせる可塑剤・燃えにくくする難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、着色料など1000種以上の化学物 質がプラスチック添加剤として使われています。通常は、5~10種類の添加剤が使用されます。


  水俣病(熊本県)は、チッソ水俣工場が毒性の強いメチル水銀を含む工場排水を垂れ流していたことが原因で起 きました。この工場は肥料をつくる会社だと私は思っていたのですが、実は、プラスチックなどを成形する際に も使われるアセトアルデヒドを生産していました。その生産工程で触媒として水銀を使用していたのです。水 俣病発生から12年後の1968年、製造は中止されましたが、この間プラスチック の国内生産量は20倍、塩化ビニ ルは10倍になっていました。20世紀の人類最大の発見は、原子力とプラスチック だといわれてきました。21 世紀となった今、そのどちらも廃棄物となった時あらゆる生き物の命を皮肉にも脅かしています。