認知症の人と共に暮らす
2014.6月議会
認知症800万人時代。 知られざる徘徊の実態が、5月11日「NHKスペシャル」で放映されました。また、行方不明になっているケースは、2012年で延べ9007人にも上り、内351人が死亡、208人が行方不明のままという実態が明らかにされました。さらに事故なども起きています。愛知県大府市で徘徊症状がある認知症の91歳男性が、電車にはねられ死亡した事故(2007.12月)をめぐり、JR東海が遺族に損害賠償を求めた訴訟が起きています。名古屋高裁は、「見守りを怠った」などとして91歳の妻に359万円の賠償を命じました。(2014.4.24産経新聞)
介護保険制度では体が動ける認知症高齢者は、認定度の判定がどうしても低くなる傾向にあります。そのため充分な介護サービスや社会的サポートを受けられず、家族だけで24時間の見守りをするのは厳しい状況になり様々な問題が起きています。
中央市では認知症高齢者が尊厳を保ちながら、住み慣れた地域で穏やかな生活を営み、家族も安心して暮らしていける環境を整えていくことが必要だとして取り組みを進めています。中央市における認知症が起因となる徘徊問題や認知症対策について質問いたします。
●認知症の現状と現行制度での対応について
中央市の認知症高齢者による徘徊などの件数、行方不明者や死亡者数は?
中央市の第5期介護保険事業計画において介護制度の中でどのような支援がなされているのか介護認定度により異なる点などを踏まえて伺います。
●中央市の取り組みについて
認知症高齢者を見守るネットワーク構築の有無、認知症サポーター養成講座、認知症対応型通所介護(ディサービス)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)について現況を伺います。
●徘徊対策「SOSネット」のススメ
釧路市のSOSネットは、徘徊高齢者をいち早く発見し保護するためのもので、警察や関係機関が協力して探すネットワークシステムです。釧路地区障害老人を支える会「たんぽぽの会」の働きかけで発足し成果を上げています。発見者は通行人やタクシー運転手など、家族や警察以外の人が6割を占め、多くの市民の目が早期発見に重要な要素となっています。中央市版SOSネットがあるでしょうか?また、できるだけ多くの関係機関の参加が望まれますがよりよいシステムの構築を早急にお願いいたします。
中央市の第6期介護保険事業計画について、認知症高齢者対策をどのように盛り込み反映させるのか伺います。また、国の「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」がどのように影響するのかお聞きします。
理学療法士の三好春樹氏は「認知症論集 介護現場の深みから」の中で、医療モデルに頼ろうとするのではなく、介護の側からの生活モデル、さらに人生モデルからの見方、医学という一面からだけではなく、人間学ともいうべき多面的で立体的な見方の必要性を述べています。「引っ越しや入院、入所で、あっという間に認知症になった人がいる。認知症が脳の病気ではなくて、人と環境とのドラマだということが分かるではないか。」との名言もあります。また、①環境を変えない②生活習慣を変えない③人間関係を変えない④介護をより基本に⑤個性的な空間づくり⑥1人1人の役割づくり⑦1人1人の関係づくりを認知症ケアの7大原則として提唱しています。
住み慣れた家や地域、人間関係のある場所で老いを迎えていくためには、地域で認知症の人を支えることが重要です。認知症の人や家族が安心して暮らせることの意味を地域住民が理解し共に協働していく必要があります。中央市が最強の老人介護を実現するために、私たちは最高の敬老化社会を目指し、認知症の人とも共に暮らせるまちづくりを願い完成させましょう。
質問2 リサイクル行政を問う「地球に正しいリサイクル」をⅡ
●容器包装リサイクル法の問題点について
今年度は、容器包装リサイクル法の改正の年とされていますが、消費者・市町村・事業者の役割分担について当初から多くの課題があることが指摘されてきました。特に、リサイクル費用の8割を占める収集・選別・圧縮・保管の事業は、市町村が税金で負担し(家電リサイクル法や自動車リサイクル法などでは、税金を使っていません)その経費はかさみ自治体財政の重荷となっています。事業者はリサイクル費用の2割に過ぎない再商品化しか行っていません。私は2008年の9月議会で、この件について「もったいないの心」を広げるリユース社会の実現を訴えました。しかしながら大量生産・大量消費・大量リサイクルの構造は変わらず、リデュース(発生抑制)やリユース(再使用)の減少に歯止めがかかりません。容器包装リサイクル法の問題点をどのように改正したら、循環型社会が築けると思いますか。
●拡大生産者責任(EPR)について
全国市長会・全国町村会など全国の自治体からも昨年、拡大生産者責任の原則に基づき、事業者責任の強化・明確化を図るよう国に要望が出されています。根本的な問題は、リサイクルに必要な費用を製品価格に内部化されていないことにあります。このため事業者が真剣に発生抑制や環境を配慮した設計に取り組もうとしません。中央市では、環境負荷や社会的コストを削減できるこの拡大生産者責任についてどのようにお考えですか。
●リユースびん飲料のススメ
中央市では、「牛乳びんは素晴らしい」の私の一般質問(同年)に対して小中学校の給食でびん入り牛乳を飲む意味を伝えているとの回答をいただき、リユース社会を目指した実践だと感動したのを覚えております。今後、市役所や公共施設でも是非積極的に取り組んで下さい。