星団日記

中央市議会議員なとり義高です。

その手を離さない

 

2014.6.21星団新聞30号     

「老い」は「生きる」と同じ、「老い」は「生(お)フ」に通じるという説があります。だとしたら、生きていることを肯定するのと同じように、老いも肯定されなければなりません。老人問題は、老人に問題があるのではなくて、老いにかかわることができない私たちの側の問題なのかもしれません。惚けが認知症と言われるようになり、年寄りと社会との関わり方が大きく変化している今、認知症800万人時代を迎えようとしています。年をとれば当たり前に惚ける、惚けは老化に伴う人間的変化なのだから認知症などと病人扱いせずにその変化について行こう。老いを楽しもう。ボケを受け入れよう。「生きたい」を支援しよう。

4月から始まった深田恭子主演のNHKドラマ10「サイレント・プア」(6/3最終回)にはまっていました。主人公はCSW(コミュニティ・ソーシャル・ワーカー)で、ゴミ屋敷、ホームレス、DV、引きこもりなど「制度のはざま」で困窮する人を救い出していく物語でした。社会福祉協議会を中心に地域のチカラを引き出し、住民と一緒に苦しむ人たちを助けていく。福祉制度の網の目からこぼれおちてしまった人たちを発見し、行政と住民をつなぎ支えていくのがCSWの役割です。実はこのドラマ、全くのおとぎ話などではなく実在のモデルがいたのです!それは、豊中市社会福祉協議会事務局次長兼CSWの勝部(かつべ)麗子(れいこ)さんで、ドラマの監修も務めました。「・・・『困った人』と言われている人は、その人自身が『困っている人』と考えてほぼ間違いがありません。ある高齢者の方から『話を分かってくれる人にもう出会えると思わなかった』と聞いた時は、孤立感の深さに言葉が出ませんでした。・・・」「・・・いつ自分の家族が認知症になるかわかりません。地縁や家族、親戚のつながりが弱くなった今、何かがあると滑り台のように一気に困窮してしまう可能性は誰もが感じています。『支え合う地域になればいい』と思う人は、どこの街にもいます」(6月18日朝日新聞オピニオンインタビュー「地域のチカラ」より)

支え合う地域になれば、認知症の方の徘徊問題にもSOSネットの立ち上げなど灯りが見えてきます。地域の発見力と寛容さ、CSWの解決力が加わることで、確かな地域のチカラが宿り一人ひとりを救うための仕組みができ、多くの人を救うこともできるのです。

 

                      2014年夏至の日に

                         名執義高