星団日記

中央市議会議員なとり義高です。

水は商品か権利か

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   なとり義高の市民と実現宣言ではくり返し「森の文化・水の文化」を育み安全な水を守りますと宣言してい ます。特に4期目の宣言IVでは「水道事業の民営化には反対します。」と掲げました。このことは昨年12月、 私がもう一度市議会議員にチャレンジしようと決意した時に起きたことがきっかけです。2018年12月6日、 改正水道法が第197回臨時国会衆議院本会議において、可決成立しました。これは、公共施設の運営権を民 間企業に一定期間売却するもう一つの民営化(PFI)手法といわれる「コンセッション方式」の導入を自治体の 水道事業でも促進するための法改正です。PFIは(プライベート・ファイナンス・イニシァティブ)の略語で民 間の資金、経営・技術能力を活用し効率化やサービス向上を目指すものでイギリスが発祥地です。サッチャー 政権による構造改革後導入され、その後世界の国々で採用されるようになりました。しかし、2018年1月その お膝元でPFIの大手請負企業であるカリリオンが倒産し、病院や学校・図書館・刑務所などの様々な公共サー ビスに影響が出ました。イギリスの会計検査院は「PFIは通常の公共入札より40%割高。コスト削減効果もな く、透明性も悪化」と報告しています。最近ではPFIの新規契約が激減し、完全民営化の水道は7割を超える市 民が「再公営化」を支持しています。1990年代に世界中で進んだ水道民営化は、30年経った今、もう一度公営に 戻す再公営化が選択されています。ドイツベルリン市では、水メジャーと30年間の契約を締結しましたが約 14年で契約解消。その内容は企業が利益を得ることを前提とし、赤字が出れば市民にそのツケが回されると いうものでした。そして、ついに2014年再公営化しますが経営権を買い戻すのに13億ユーロ(約1700億円)も のコストがかかりました。2017年の調査では、世界33ヵ国で267件の水道再公営化を市民が勝ちとりました。 水は自治の基本です。儲かる儲からないに関わらずあらゆる人にとって水はなくてはならないものです。

 

 ドキュメンタリー映画「最後の一滴まで ヨーロッパの隠され た水戦争」は大都市パリ、ベルリンの市民が、水道の再公営化を果 した闘いを描き、一方で今まさに民営化を迫られているギリシャアイルランドの人々の姿を対照的に登場させます。状況は違っ ていても水道を「権利」と位置付け民主主義や自治を取り戻そう としている姿に共感せずにはいられません。崖っぷちに立たされ ている私たちにも大きな示唆を与えてくれる作品です。

  6月15日(土)19:00より玉穂生涯学習館にて上映します。ぜひ観に来てください。一緒に学びましょう。