星団日記

中央市議会議員なとり義高です。

カナリアたちの叫び

 「本人は死にたいと思い、周りは死んでくれと思う。そして、実際に死んでしまって周りは良かったと言う」化学物質過敏症を苦に自殺した女性の夫の言葉です。「香害(化学物質過敏症)から身を守る」古庄弘枝著・鳥影社発行より引用。化学物質や電磁波、エコキュート低周波音などで体調をくずす人がいます。ごくわずかな環境因子でも、頭痛やめまい、吐き気、筋肉痛、耳鳴り、イライラ、集中力・記憶力低下・動悸・睡眠障害などさまざまな痛みや異常を引き起こします。想像してみて下さい。私たちの身の回りにはあらゆる化学物質が使われ、スマホがぴったりと寄添い電気製品のない家などありません。私たちは当たり前にこれらを享受し、その恩恵を受けています。それが、ある日を境に、恐ろしいものに変わってしまうのです。日本では化学物質過敏症の有病率は約8%、電磁波過敏症有病率は約6%と推計されておりその多くは併発して発症しています。専門医が少なく特効薬もありません。社会的にも認知されておらず、わがままや気のせいで済まされ周囲の理解を得られず適切な治療を受けられない人が全国にいます。7月1日、この2つの過敏症である中学生と保護者が文科省に高校進学できるよう要望書を提出しました。発症のきっかけは、小学校3年生の頃地デジ対応テレビを見ていて突然、頭痛やめまい、おう吐、腰痛が起きました。その後、柔軟剤や合成洗剤などから発生する香料(化学物資)にも反応するようになり体調不良の原因になっています。今通っている中学校では、(通学できていません)自宅での学習を教師や友人がサポートしてくれていますが、来春中学を卒業しても通えそうな高校が見つかっていません。公共交通機関や自動車の利用も困難であり、インターネットやテレビ・ラジオでの勉強も難しいので通信制高校に進学することもできません。

 このような状況の中、第5世代移動通信システム(5G)が開始されようとしています。5Gは、超高速大容量通信を可能にするため100m間隔でスモールセル・アンテナを設置し、28GHzという非常に高い周波数帯の電波を、至近距離で照射します。電磁波は、周波数が高くなるほど波長が短くなるので、周囲の建物などにぶつかると反射され遠くまで届きにくくなります。そこで政府は、全国に約20.8万基ある交通信号機や無数にある電柱に5Gアンテナを設置する方針です。5Gによって電磁波被曝が劇的に増加するため、海外では5G導入の一時停止を決めたり、設置場所を規制する条例を設けた自治体もあります。しかし、日本では5Gのリスクは知られておらず、電磁波過敏症の診断基準もないまま、導入が進もうとしています。これではまるで日本という国すべてを電子レンジの中に入れて24時間休みなくチンしているようなものです。籠の中に入ったカナリアは、かつて炭鉱労働者たちに死をもって危険を知らせました。カナリアは社会の問題を映しだしてくれる鏡です。弱者であるから大事にされるのではありません。私たちの進む方向を啓示してくれるからこそ大切にしなければならないのです。今、あなたに、カナリアたちの叫びが聞こえますか?

カナリアは明日の「私」かもしれません。

 

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