星団日記

中央市議会議員なとり義高です。

中央市議会行政視察 豪雨災害対策先進地 新潟県三条市

 大きな河川にはさまれた中央市と同じように三条市も、信濃川五十嵐川の合流地に拓かれたまちです。面積は中央市のほぼ10倍、人口は3倍の10万人が暮らしています。2004年と2011年の2度の豪雨に襲われ甚大な被害を受けました。2004年の豪雨災害では、観測史上最大の累計雨量491mmにより、市内中心部を流れる五十嵐川が都市部の下流で堤防が決壊しました。被害は死者9名、家屋被害は全壊1、半壊5,281 などと大変な被害を受けてしまいました。その後、下記に示すハード、ソフト両面の防災対策を強力に進めた結果、2011年豪雨では累計雨量が前回水害時の約2倍に当たる959mmを記録しましたが、比較的人家が少ない五十嵐川の上流部の堤防決壊があったものの、その被害は死者1名、全壊10、半壊400と前回の被害と比べ最小限に止めることができました。

ハード面の対策

300棟以上の家屋補償を伴った五十嵐川の大規模拡幅や改築工事、遊水池(貯水容量180万㎥面積約40㌶) をつくり、笠堀ダムを嵩上げし貯水容量を870万㎥から1,050万㎥までに洪水調整容量を増やしました。また、内水対策として街中の道路・公園の地下にも調整池を整備しました。今では考えられないような規模と予算をかけています。2010年に企画した「釜無川フォーラム」で、専門が河川工学の新潟大学名誉教授の大熊孝さんが、信玄堤のように越水に耐えられる水害対策やスピーディーで安価な河川の堤防強化策としてシートパイルを早急に打ち込むべきだと提言してくれた事を思い出しました。

ソフト面の対策

市が発令した避難勧告情報を受け取れた市民は、2004年豪雨時には21.9%でした。その後防災無線、テレビ、携帯電話・スマートフォンなどあらゆる媒体を利用した情報伝達を整備しました。その結果、2011年豪雨には93.3%の市民が情報を得ることができたと報告されています。情報の取得方法は、防災無線64.9%、テレビ22.8%、広報車19.2%でした。

 災害が起こっても「人は逃げない」。この教訓を活かしより適切な「自助」を促すための情報提供としてハザードマップに具体的でよりタイムリーな「逃げ時マップ」も掲載しています。また、☆マークで避難所を格付けしてあったのが印象的でした。(中央市の避難所に三つ星はなんこつけられるだろうか・・・)